７/２の旅人

素晴らしい夜明けで次の日が始まった。

バンテリン、単独行、俺、

僕たちは全員独り歩き。自分自身の価値観、

すべての自分自身の体の動かし方を、自分のリズムを刻んでやってきている。

だから、出発の時間もまちまち、適当に出て行く

白鳥小屋を出て行ったのは、僕がビリだった。

僕は四日後には、予定では里に降りている。この計画通りに里に町に降りている自分を考えている。

二人は違うはずだ一月後、または。二ヵ月後の太平洋なのか？？？？？？？？？？たぶん

バンテリンは白馬で友達と会ってデポ（補給）品をを受け取るつもりで歩いている。

単独行の兄ちゃんは、この旅でなにかをつかもうと、必死だ。

自分の人生は自分で決められる、

山登りというのは、自分でその物語を組み立てられる。

そういう、遊びなのだ、他の遊びと違うのはその間、に自然というものが八割九割かかわって来る

遊びなのだ、いやスポーツかな　わｗかんねえな？　まっそこが面白いけど。


バンテリンはお気楽にこの旅を楽しんでいる。荷物の重さなんて二の次さ。

彼はハードカバーの本を何冊も持っていた。

自分は、この山行でどれが何グラムでなにを削って兎も角軽くと自分の背負う荷物を減らしていた

本のハードカバーを持っていくなんてなーーーーんと贅沢な！

信じられないことだった、

単独行のにいちゃんは、なにか？この旅なにかをつかもうと思っている。

なんか、苦悩している。

でもこれじゃない・・・・・・・・・・・・・と解っていながら旅を続けているようだ。

下駒ケ岳、菊石山、黄連山と上り下りを繰り返し進んでいく。



そして、栂海山荘に到着とても。立派な小屋だったあまりにも時間も早いので先に進む

すこし登って、犬ヶ岳だ。この辺は尾根が痩せている。

北又の水場この水場は少しくだらなければならない。

水場に、バンテリンがいた。バンテリンはハンモックを吊って本を読んでいた。

「わた～し、つかれ＝た今日はここ、おとまーり」

なにー！ここで泊ちゃうの、さすーがバンテリンゆったりしているなあ。

いいんじゃないか、これでいいのだな、バンテリンは。

確かにここは、いいところだ、バンテリンさらばだ！またどこかで逢おう。



ハクサンコザクラが咲いていた、やっと黒岩平に着いた。

高層湿原帯が始まった。

僕が一番好きな場所だ。



水芭蕉は尾瀬の専売特許ではなくあちこちで見られる。



今日の泊まりは、天然クーラー付き　というか寒い。

夕べ3人で飲んじゃったので残りわずかなウイスキーをチビチビ飲みながら。

単独行氏はどこまで歩いていったんだろうと考えながら、いついしか眠りに着いた。

次の日雪渓を渡ったり、お花畑を歩く楽しい道だ。









そして、朝日岳へ。

山頂でまったりしていたら。バンテリンが現れた。

「こんにーちわ」

おお！、言うが早いかTシャツを脱いだ、この人は裸になるのが好きだね

バンテリンはシーチキンファンシーを取り出すと、まるでスポーツ飲料を飲むように飲み込んだ。



バンテリンは白馬へ僕は朝日小屋へ。これで本当にサヨナラだ。元気で、ぐっとらっくだ。



僕は日本海は、親不知の海岸で拾った小石を方位盤の上に置いた



この石はこの山で生まれて、沢に下りて川降り、転がり転がり、そして海へ！

そして、今生まれ故郷の朝日岳に帰ってきたんだ。



この日朝日小屋にテントを張った

受付の帳面に単独行氏の名前が昨日の日付で載っていた。

（そっか、あいつは１２時間かけて昨日ここまで来たんだ）

やっぱし苦悩しているんだ、修行でもなく、部活でもないのに、

奴は太平洋に向けて一生懸命歩いてるんだ。

でも、バンテリンは楽しみながら、歩いている。

ふふ、うさぎと亀か・・・・・・・・・・・・・・

でもどっちが、善いなんて俺には判断できないな。

たぶん、バンテリンも単独行氏も競争している気はないだろうし。

まっ！　どちらさんもよい旅を・・・・ぐっと　らっく　！










2003年　夏